物理検層放射線検層

NUCLEAR LOGGING放射線検層

物理検層

放射線検層には、地層に含まれる微量の放射線量を測定する自然ガンマ線検層、中性子の減衰効果を利用して孔隙率を測定する中性子孔隙率検層、ガンマ線のコンプトン散乱効果を利用して地層の単位体積当たりの密度(電子密度)を測定する密度検層などがあります。中性子孔隙率検層と密度検層をコンビネーションしたスリムタイプの検層ツールはHQ孔での調査に使用することも可能です。

主な種目

自然ガンマ線検層

一般に岩石中には、カリウム(ポタシウム)、ウラン、トリウム等の天然放射性元素が存在し、それらが壊変するときに、自然ガンマ線と呼ばれる放射線が放出されています。天然放射性元素の存在量は、岩石の種類によって異なります。自然ガンマ線検層は、坑井内のそれぞれの地層から放射される自然ガンマ線量を坑壁に沿って連続的にする検層種目であり、それを解釈することにより岩相の同定や地層の対比を行うことができます。特に堆積岩においては、頁岩の主要構成物である粘土鉱物にカリウム元素が多く含まれています。堆積岩の自然ガンマ線量を測定することにより、粘土類鉱物の含有率を算定することも可能です。

スペクトルガンマ線検層

スペクトルガンマ線検層は、自然ガンマ線源の三大要素であるカリウム(ポタシウム)、ウラン、トリウムの含有量を個別に測定する検層種目です。主要三元素が放出するガンマ線は異なるエネルギーレベルを有するため、自然ガンマ線のエネルギー分布(スペクトル)を求め、それぞれのエネルギーレベルに対応するウインドウを設定することで主要三元素から放出されるガンマ線量を個別に測定することができます。それぞれのガンマ線量から各放射性元素の含有量を定量的に求めるためには人工的に作られたピットを用いた較正が必要です。カリウム、ウラン、トリウムの量比は地層を構成する鉱物組成を推定する上で重要な情報となります。

密度検層

地層に中程度のエネルギーを持ったガンマ線が放射されると、ガンマ線は地層を構成する物質の原子の軌道電子と衝突し、そのエネルギーの一部を軌道電子に与えて進路を変えながら減衰する現象があります(コンプトン散乱)。密度検層は、このコンプトン散乱を利用して地層の密度を求める検層種目です。坑内測定器に装着されたガンマ線源(セシウム137)から地層に照射され衝突・散乱したガンマ線の強度を検出器で測定し、地層密度の変化を深度に対して連続的に記録します。照射されたガンマ線の減衰度は、地層の単位体積当たりの密度(電子密度)に比例し、密度が高い地層では減衰度が大きいので検出されるガンマ線強度が低くなり、逆に密度が低い地層ではガンマ線強度が高くなります。

中性子孔隙率検層

中性子孔隙率検層は、放射線源より放射された中性子が地層内を通過して検出器に到達するまでの減衰率から地層の孔隙率を求める検層種目です。中性子は同じ質量を持つ水素原子と衝突するとエネルギーを完全に失い消滅するため、中性子の減衰は地層内の水素原子核密度に関係します。水素原子核密度は地層の孔隙を満たす地層流体(水H2Oあるいは炭化水素)の水素原子により決まるので、中性子の減衰量は地層の孔隙率に比例します。放射線源としては241AmBe(アメリシウム241-ベリリウム)が用いられます。線源から一定距離にある検出器により測定される中性子の量が地層の孔隙率に換算されます。

密度・中性子孔隙率検層(CNL-LDT slim)

密度検層ツールと中性子孔隙率検層ツールを連結して地層密度と中性子孔隙率を同時に測定することができるツールです(それぞれの測定原理は上述の密度検層と中性子孔隙率検層の説明と同様です)。本検層ツールは坑壁近傍に形成される泥壁の影響を排除する機能を備えており、正確な地層孔隙率、地層密度値を計測します。また、同時に自然ガンマ線強度、坑内温度、坑径の測定が可能です。ツールの外径が63.5mmとスリムなため、HQ孔などの調査井での計測も可能です。

仕様

全長
1,022mm
外径
63.5mm
重量
104kg
耐圧
35MPa
耐熱
125℃
対応坑径
96mm〜356mm(14in)
取得データ
密度、孔隙率、ガンマ線強度、
キャリパー(1アーム)、温度