物理検層圧力・温度・流量検層(流体検層)

PRODUCTION LOGGING圧力・温度・流量検層(流体検層)

物理検層

坑井内の圧力、温度、流速を計測することで、坑内流体の状態と流動状況を評価するサービスです。当社の所有する耐熱350℃のプロダクション検層ツールは、過酷な噴気環境の下で圧力、温度、流速に加えて自然ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)を同時に取得でき、適切な深度コントロールの下で地熱坑井の能力評価に威力を発揮します。流量計測には、これ以外に電磁型、ヒートパルス型の検層ツールがあり、流速に応じてこれらを使い分けます。

主な種目

圧力・温度・流量検層

圧力、温度、流量を同時に計測する高温用スリム型(耐熱350℃、外径54.0mm)の検層ツールです。地熱井はもちろん、石油・天然ガス井、地盤調査のHQ孔にも対応します。本機の測定方法は、検層ケーブルを介してリアルタイムでデータを地上に転送しながら測定する方法と、内蔵したメモリーにデータを保存して測定する方法があります。圧力、温度、流量に加えて、ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)を同時に測定できるため、深度補正にも優れています。

仕様

全長
2.7m
外径
44.5mm(着脱式スピンナー部 54.0mm)
重量
20kg
耐圧
70MPa
耐熱
350℃(4h)
取得データ
圧力、温度、スピンナー、自然ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)

圧力・温度・流量検層(メモリー式)

メモリー式の圧力・温度・流量検層機を坑井内に降下させる時には高温用スリックライン(高温用ピアノ線)を使用することができるため、検層ケーブルの耐熱温度を超える350℃の高温環境でも測定が可能です。また、専用の防噴装置を用いることにより坑口圧力をシールした状態でのスムーズな昇降操作が可能となるため、スリックラインによる検層は坑口圧力の高い坑井でのプロダクション検層に適しています。圧力、温度、流量に加えて、ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)を同時に測定できるため、深度補正にも優れています。

仕様

全長
2.7m
外径
44.5mm(着脱式スピンナー部 54.0 mm)
重量
20kg
耐圧
70MPa
耐熱
350℃(4h)
取得データ
圧力、温度、スピンナー、自然ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)

電磁型フローメーター検層

電磁型フローメーター検層は、電磁流量計と同じファラデーの法則(電磁誘導の法則)を利用した検層種目です。そのため、従来のインペラー型フローメーター検層やヒートパルス型フローメーター検層と比較すると測定範囲が非常に広いのが特長です。坑内ツール下部のフローチューブ内に電磁センサーが組み込まれており、流速を測定します。同時に坑内流体の温度と比抵抗も測定します。
正確な流量を計測するには、ダイバーターで坑内流体の流れをすべてフローチューブ内に集中させ、測定ポイントごとに停止して測定を行う必要があります。そのため、ヒートパルス型フローメーター検層と同様に、亀裂のない位置や坑壁が安定している位置でダイバーターを坑壁に密着させる必要があります。
電磁型フローメーターは、インペラー型フローメーターとは違ってインペラーなどの回転する可動部がないため、機械的ノイズがほとんど発生しないのも特長です。

ヒートパルス型フローメーター検層

ヒートパルス型フローメーター検層は、従来のインペラー型フローメーターにおける測定限界以下の微流量を計測するためのツールです。このツールは、フローチューブ内にあるヒーターグリッド、その上下に一定距離をおいて配置された温度センサー(サーミスター)、およびダイバーター等で構成されます(図上)。ヒーターグリッドに電流を流すことにより、ヒーターグリッド周囲の流体は約2゚F加熱され、熱的な目印(ヒートパルス)が生じます。このヒートパルスが流体移動により、ヒートグリッド上下のサーミスターに移動し流体の温度変化が検出されます(図下)。このヒートパルスのピーク到着時間を測定することにより、流量が計算されます。同時にヒートパルスが上下どちらのサーミスターで検出されたかを知ることにより、上昇流か下降流かを決定できます。ヒートパルス型フローメーターは、坑井内の任意の測定ポイントごとに停止して測定を行います。正確な流量を計測するためには、ダイバーターで坑内流体の流れをすべてフローチューブ内に集中させる必要があり、亀裂のない位置や坑壁が安定している位置にダイバーターをきかせる必要があります。