物理検層坑内環境検層

WELL CONDITION LOGGING坑内環境検層

物理検層

坑井の方位・傾斜、坑径(キャリパー)などを計測するサービスです。これらの坑井の形状に関する情報は、適切な生産能力評価、効率的な改修計画立案などに役立ちます。超音波の反射を用いて坑径を測定するケーシングインスペクション検層(BHTV)は、ケーシング内壁の腐食による傷や減肉、スケールの付着状況などを評価でき、坑井の健全性評価、メンテナンス計画立案に有効です。

主な種目

坑径検層(キャリパー検層)

坑径検層(キャリパー検層)は、坑径の変化を深度に対して連続的に測定記録し、坑内における空洞、崩壊の位置やその形状を計測する検層種目です。坑内状況を把握できるほか、坑径による補正を必要とする他の検層結果の解釈・解析などに用いられます。測定は、坑径に応じて開閉するアームによって行われます。まず、アームを閉じた状態で坑内に測定器を降下させ、測定区間の最深部となる箇所でアームを開き、検層ツールを捲き上げながら坑径の変化を測定します。
一般に破砕帯や断層、軟弱地質においては、坑壁が崩壊し易く坑径拡大が顕著に認められます。また、キャリパー検層から得られた測定値より坑内容量等を算出し、セメンチング作業の情報としても利用されています。

ラジアルセメントボンド検層

セメントボンド検層は、坑内に挿入したケーシングパイプと地層との間のアニュラス部に注入したセメントミルクの硬化・結合状況を深度に対して連続的に測定します。ケーシングとセメントの膠着状態によって音波の減衰が異なることを利用し、ケーシングを伝播する音波の第1波の振幅を連続測定し、データ処理によりセメンチング状況を評価します。最新のラジアルセメントボンド検層ツールは、径方向に8分割されたセンサーを搭載し、坑井周囲のセメント硬化状態や存在の異方性を評価できます。従来のセメントボンド検層では評価できなかったマイクロアニュラスの存在なども確認でき、より詳細な評価が可能です。

坑井方位傾斜測定

掘削された坑井の坑跡を求めるために坑井方位・傾斜を深度に対して連続的に測定します。方位計測には高精度の3軸磁力センサー、傾斜測定には3軸加速度センサーなどが使われます。また、坑井方位傾斜測定専用のツール以外に、坑壁画像検層ツール(BHTV、XRMI™)なども方位・傾斜を測定する機能を有しています。

ケーシングインスペクション検層

生産井において硫化水素等の腐食性の酸化化合物が原因で発生するケーシングやチュービング等の金属管体の腐食は、生産性低下の原因となります。また、腐食疲労等を原因とする管体の破断や流体漏れが発生した場合は生産性の問題だけでなく、保安上あるいは環境上の問題となりかねないため、管体の腐食および防食評価のためのケーシング(チュービング)ストリングスのインスペクション検層は重要です。
超音波を使用したボアホールテレビュアー(BHTV)は、管体の孔食や亀裂、断裂、内径変化等を画像化するとともに、腐食による管壁の減肉を評価することが可能です。そのほか、キャリパー検層機を用いた機械的な手法や電磁的な手法を用いた検層ツールによるケーシング(チュービング)インスペクションもスケール調査等の坑井管理に活用されています。