スリックライン坑内調査

WELL SURVEY坑内調査

スリックライン

坑内の堆積物や付着物の調査にはベーラーやゲージカッターが用いられます。また、坑内流体の温度、圧力、流動状態の計測も、メモリー式の検層ツールを用いることでスリックラインによって行うことができます。高温・高圧の坑井で坑口圧力のシールが必要なプロダクション検層には、シール性の高いスリックライン検層が効果的です。さらに、メモリー式のマルチアームキャリパーは管内の腐蝕状況を高精度で評価することが可能です。

主な種目

マルチアームキャリパー

チュービングパイプやケーシングの内径を24本の高分解能キャリパーで測定し、変形・曲がり・腐食・穴などの異常やスケール・パラフィンの析出具合を検出します。地上でプログラミングされたタイミングでアームを開閉させ、アームの開度を内部メモリーに記録し、地上でデータを読み取ります。同時に自然ガンマ線や坑井方位傾斜なども測定できます。

仕様    MFC24C

全長
5,584mm
外径
42.9mm
重量
40kg
耐圧
105MPa
耐熱
175℃
坑径
45mm〜180mm
測定範囲
傾斜:0°~180°
方位:0°~360°
ガンマ線強度:0~10,000API

用途

  • チュービング/ケーシングの内径測定
  • チュービング/ケーシングの腐蝕調査、減肉調査
  • チュービング/ケーシングのスケール付着状況調査
  • チュービングプラグセット時の事前坑内調査
  • ジェットポンプ等の坑内機器設置時の事前坑内調査

圧力・温度・流量検層(メモリー式)

メモリー式の圧力・温度・流量検層機を坑井内に降下させる時には高温用スリックライン(高温用ピアノ線)を使用することができるため、検層ケーブルの耐熱温度を超える350℃の高温環境でも測定が可能です。また、専用の防噴装置を用いることにより坑口圧力をシールした状態でのスムーズな昇降操作が可能となるため、スリックラインによる検層は坑口圧力の高い坑井でのプロダクション検層に適しています。圧力、温度、流量に加えて、ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)を同時に測定できるため、深度補正にも優れています。

仕様

全長
2.7m
外径
44.5mm(着脱式スピンナー部 54.0mm)
重量
20kg
耐圧
70MPa
耐熱
350℃(4h)
取得データ
圧力、温度、スピンナー、自然ガンマ線、CCL(Casing Collar Locator)

ゲージカッター

チュービングパイプの中にパイプ内径に近い外径のツールを降下させる時には、ツールの降下を妨げる可能性のある障害物(パラフィンやスケール・沈殿物)がないことを予め確認しておく必要があります。こうした時に、チュービングパイプおよびそこにセットされている坑内機器の外径に合わせて選択したゲージカッターを降下させて、目的の深度まで通過するかどうかを調べます。その他に、チュービングパイプ内にツールを遺留した際に、その頭部の位置(深度)を調べるためにも使います。

ベーラー

チュービングパイプ内に沈殿した砂や粒状の物質を吸い取るサービスです。砂を含んだ流体を生産している坑井を密閉すると、砂やゴミが坑底に沈殿し、生産障害や坑内機器操作の妨げの原因となります。ベーラーにはピストンタイプとハイドロリックタイプの2種類があり、用途によって使い分けます。ベーラーで沈殿物を回収し終わったら、インプレッション・ツールで坑底の状況を確認します。